転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


263 クリエイト魔法って何でも作れるわけじゃないんだよ



 イーノックカウへ来て3日目。

 ほんとだったら今日は、家族みんなでお出かけするはずだったんだよ。

 でも森に行ってポイズンフロッグを狩る事になっちゃったでしょ? だから遊べる日が増えたって事で、今日もお父さんとお母さんは別行動なんだ。

 でね、お父さんはと言うと、昨日とおんなじでお兄ちゃんたちを連れて武器や防具のお店を周るんだって。

 だから今日も、僕はお母さんやお姉ちゃんたちといっしょなんだ。


「ここが昨日レーアたちが言ったって言う小物雑貨のお店なの?」

「うん。中に入るとね、いろんなのが売ってるんだよ」

 レーア姉ちゃんとキャリーナ姉ちゃんに連れられてきたのは、クリーム色の建物の上に赤い三角屋根が乗ってる可愛らしいお店だったんだ。

 でもね、

「なんと言うか、錬金術ギルドみたいな建物ね」

 お母さんが言う通り、ここってなんとなく錬金術ギルドに似てるんだよね。

 だって扉の色は薄いピンクでギルドのよりかわいいデザインになってるけど、その横には花壇が作ってあるもんだから余計に同じように見えちゃうんだ。

「確かにそうだけど、それって錬金術ギルドの方がおかしいだけじゃない?」

「そうだよ! だってこのお店、とってもかわいいもん」

「まぁ、私も初めて錬金術ギルドの建物を見た時は、何かのお店かと思ったもの。言われてみれば、確かに小物雑貨屋さんらしい建物だわ」

 僕も最初は小物雑貨のお店? って思ったもん。

 だから僕やお母さんがこの小物屋さんを見て、錬金術ギルドみたいな感じがしてもおかしくないよね。

「とにかく、早く入ろうよ!」

「ええ、そうね」

 そんな事を話してるより早く中の小物が見たいからって、レーア姉ちゃんがお母さんを後ろから押してお店の方へ。

 そしてキャリーナ姉ちゃんがそれを追い抜いてピンクの扉を開けると、

 カランカラン。

 これまた錬金術ギルドの扉を開けた時みたいな音がしたもんだから僕、びっくりしちゃった。

 おまけに、入ってすぐんとこにテーブルが置いてあって、アクセサリーが並んでるとこまでおんなじなんだもん。

 これって絶対、どっちかがまねしてるよね。

「びっくりした? 昨日ペソラさんから聞いたんだけど、この街のお店についてる入口のベルって、殆どがおんなじとこで作ってるんだって。だから形は違うけど、音はどこも一緒なんだって」

 僕がそんな事を思ってたら、レーア姉ちゃんがそう教えてくれたんだよね。

 だから扉に付いてるベルを見てみたんだけど、確かにこのお店のはベルの下の方がユリの花みたいになってるし、色も錬金術ギルドのベルのは焦げ茶色っぽいのに、ここのは白っぽい色してる。

 でもさ、入ってすぐんとこのテーブルもおんなじだよね?

 だからどっちかがまねっこなんじゃないの? ってレーア姉ちゃんに言ったら、

「そんなの、入口に目立つものを置くのはお店なら当たり前じゃない」

 って言われちゃった。

 そう言えば食べ物屋さんだって、一番手前にみんなが買うものを置いてるもん。

 錬金術ギルドに置いてあるアミュレットはバーリマンさんが自分で作ったのを並べてるって前にロルフさんが言ってたから、きっと入口に置いてるのはみんなに買ってほしいからなんだね。


 なんでこんなに錬金術ギルドとよく似てるのかが解ったから、僕は今度こそちゃんとお店の中を見たんだよね。

 そしたら壁に小さな棚が作ってあったり、いろんなとこに丸テーブルが置いてあって、その上には髪飾りやブローチみたいなアクセサリーや、どっかに飾る用なのかな? 動物や一角ウサギみたいに外見が可愛い魔物の置物がいっぱい置いてあったんだ。

「わぁ、いろんなのがいっぱいあるね」

「そうでしょ? ルディーン、せっかく来たんだから、しっかり見ておくのよ」

「なんで? 僕、男の子だから、お姉ちゃんたちみたいに髪飾りとか着けたりしないよ?」

 バーリマンさんが作ったアミュレットならいろんな効果があるから、もしかしたら僕もつける事があるかもしれないよ。

 でも、ここに置いてあるのって女の子が着ける物ばっかりだから、僕には関係ないんじゃないかなぁ?

 そう思ってレーア姉ちゃんに聞いたんだけど、そしたら、

「だってルディーンは、魔法でいろんなものを作れるでしょ? だったらここでいろんなのを見ておけば、村に帰った時に作れるかもしれないじゃない」

 だって。

「ルディーン、こういうの作れるの? だったら私も作ってほしい」

 おまけにそれを聞いてたキャリーナ姉ちゃんまで、近くに合ったネックレスを指さしてこんなこと言いだしたんだよ。

 でもね、そんなこと言われたって僕、困っちゃうんだ。だって多分作れないもん。

「キャリーナ姉ちゃん。髪飾りとかならできるかもしれないけど、それは無理だよ」

「えー、なんで?」

「だってそんな細い鎖、魔法で作れるはずないじゃないか」

 クリエイト魔法って言っても何でも作れるって訳じゃないんだよね。

 キャリーナ姉ちゃんが指さしてる鎖の細い輪っかを作ってって言うならできるけど、それをつなげて鎖にするとなるとそれは一般職である鍛冶師や細工師のスキルになっちゃうんだ。

 だからそう言うのはそんな一般職を持ってないと、クリエイト魔法では作る事ができない。

「そうなの?」

「うん。魔法が使える鍛冶師とか細工師なら作れるかもしれないけど、僕そんなの持ってないからダメだよ」

 ほんと言うと、今でもちっちゃな輪っかをいっぱい作ってそれを材料に鎖を作る事はできるけど、そんな事しようと思ったらすっごく時間とMPがかかっちゃうもん。

 だから作れないっていう法が正しいって僕、思うんだ。

「そっか」

 でもそれを聞いたキャリーナ姉ちゃんはちょっと残念そう。

 だから僕、教えてあげたんだよ。

「そんなほっそい鎖のは作れないけど、こういう革ひもの先っぽにぶら下げるのだったら作れるよ」

「ほんと!?」

 僕が近くにあった、ピカピカに磨いてある石ときれいな羽がついてるだけの簡単なアクセサリーを指さしてそう言うと、キャリーナ姉ちゃんはとっても嬉しそうな顔をしたんだよね。

「石をこんなにピカピカに磨くのはやってみないとできるかどうか解んないけど、こうやって組み合わせるだけだったら簡単だもん」

「じゃ、ルディーン。今度作ってね。約束」

「うん! 約束」

 こうして僕は、村に帰ったらキャリーナ姉ちゃんにアクセサリーを作ってあげる事になったんだ。



 ちょっと短めですが、キリがいいので今日はここまで。

 危ない危ない、危うくアップするのを忘れるところだった。
 寝る前に気が付いてよかったよw


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